中小企業の社長になって一年。社長が勉強するべきこと、読むべき本のまとめ

2018/09/24

こんにちは、イソノです。
私は中小企業の社長をやっています。いや、中小企業というよりは社員数名の零細企業ですね。
社長になったのは約一年前。事情があり、前社長が退任し私が社長に就くことになりました。(ちなみに親から譲られた二代目ではありません)
私は性格的にも社長タイプというわけではなく、まさか自分が社長をやることになるとは思ってもみませんでした。人生何があるか分かりません。
とにもかくにも何とかこの一年社長をやってきました。でも、仕事のやり方はある程度分かっていても社長のやるべきことなんてほとんど分かりませんでした。
また、とにかく忙しかったのもありそれまでの延長で自分が率先して仕事をガシガシやりました。経営的なことはもちろん、実務的なこともすべて私を通さないと完了しません。
そんな感じなので、(今までもそうですが)帰宅するのは夜遅く、休日出勤も当たり前、現在一歳9ヶ月の娘と過ごす時間も結構限られてしまいます。
社長就任後3ヶ月程でふと思いました。このままではマズイ…と。
このままでは、忙しいままで一生終わってしまう。忙しいままで終われるならまだ良い方で、年を取って体力が無くなって頑張れなくなると今の状況を維持するのすら難しくなるかもしれない。家族と過ごす時間も少ないし、サラリーマンのように将来的にも安定しているわけでもない…。
危機感をものすごく感じて、会社を成長させるために、自分が実務をせずに経営的な部分に時間を割ける体制にするために、社長として何をするべきなのか勉強しようと決意しました。

この記事では、私が社長として何をやるべきなのか一年かけて学んだことや読んできた本の中で、現時点で重要だと思うことを書いていきたいと思います。

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社長がやるべきこと

当初、社長がやるべきことは、「とにかく金儲けだろう」と思っていました。
お客さんをたくさん抱え、その中から単価の高い仕事を選び効率よく回せれば儲かりそうだなと。
金儲けを目標にすることは当然間違ってないと思うのですが、どうやったら達成できるのかが具体的に分かりません。
自分でうーんと考えていても答えが出ないので、どうすれば儲かるのか、社長がやるべきことは何か?を勉強することにしました。

社長の仕事とは?

結論からいうと、社長の仕事はずばり「マーケティングと管理、そして社員に給料を払うこと」だと学びました。
マーケティングとは、wikipediaによると次の意味です。

マーケティング(英: marketing)とは、企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である。また顧客のニーズを解明し、顧客価値を生み出すための経営哲学、戦略、仕組み、プロセスを指す。

ちょっと分かりづらいですが、一言で言うと「価値提供」です。
当たり前ですが、顧客が何かしら価値を感じなければ商品やサービスは売れていきません。
社長の仕事はその価値提供の方法をつくるということですね。

次に管理ですが、これは「仕組をつくり、自分がやらなくても仕組が仕事を処理するように管理する」ということです。
「社員に給料を払うこと」というのはそのままの意味なので割愛します。

なるほど。社長のすべきことは「マーケティングと管理」であると分かりました。
価値提供の仕組みが自動で回るようにすることであると。

ですが、まだ具体的に何をやったら良いのか分かりません。話が大きすぎて具体的な行動の第一歩目が踏み出せません。
では、第一歩目として何をするべきなのでしょうか?

第一歩目にやるべきこと

ずばり、「徹底的にパクる」です。
つまり、同業でうまくいっているところを真似する、ということです。
もちろん他社の商品やサービスをそのままコピーするということではありません。それは何かと問題が発生してしまいます…。
ここで「パクる」というのは次の内容です。
---------------------------------
1.顧客をどこで見つけるか?
2.どの商品・サービスを販売するか?
3.その商品・サービスの価格はいくらにするか?
4.その商品・サービスを買うように、顧客を説得するにはどうすればいいか?
---------------------------------
うまくいっているところには理由があります。これを徹底的に吸収し、やってみることが第一歩です。
私は「徹底的にパクる」というのをやり始めていますが、他社を研究してみるとなるほどと思うことがかなりあります。これは確かにうまくいくな、と。

そして、他社のやり方を真似るというのとも共通しますが、「型」を学ぶことが重要だと知りました。
スポーツなんかでは「型」を学ぶことから始めますよね。
野球でいえば、バッティングフォームや球の捕球姿勢、投げ方といったことです。
この基本的なことを学ばないと上達しませんよね。
ビジネスにも「型」があるのですが、なかなか意識することはないと思います。
むしろ「型」を無視しまくっているんじゃないかと思います。

ビジネスでは物やサービスを売ることが大前提です。
では、何を学ぶべきかというと「人はどういう時にものを買うのか?」です。
この「型」を学ばずしてビジネスの基礎はなかなか身に付きません。野球で言えばバットの持ち方、振り方を知らずに球を打とうとしているようなものです。

「型」を勉強するために読んだ本

この一年、ビジネス書を結構読みましたが、その中でも「型」「原理原則」を学べる本を紹介します。これらは社長が読むべき本だと断言します。
(ちなみに、私は本と言えば小説専門だったのですが、読む時間が無いのでこの一年はビジネス書ばかりです。小説が読めるような余裕が欲しい…)

影響力の武器

人がどういうときに行動してしまうのか?説得されてしまうのか?をまとめた本です。
アメリカの学者が書いた本で、人の行動の研究結果に基づいたことが豊富な例を交えて書かれています。
どれも「あーあるよね」「まあそれは当たり前のことでは?」と感じる内容が多いのですが、それは人間の心理に基づいていることだからです。「当たり前」と感じることを体系立てて知っていて使えるかというと、勉強していないとかなり難しいです。

この本で学べる行動原理は次の項目です。
----------
・返報性
・コミットメントと一貫性
・社会的証明
・好意
・権威
・希少性

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この本を読むと、どれも当たり前のようにビジネスに使われているのが分かります。 これらを知らずにビジネスをすることはマズイです。

人を動かす

こちらも行動原理的なものです。80年ほど前に書かれ
国内で430万部、世界で1500万部以上を売り上げているもはや古典と言ってよい本です。自己啓発書としても代表格の本です。
この本で言っていることは極端にいうと一つ。「他人に重要感を与える」ということです。
この大切さが豊富な例を用いて延々と語られています。ビジネスはもちろん、人間として大切なことが書かれています。
社員と良い関係を築くためにも必ず使えると思います。

大富豪の起業術

ダイレクト出版から発行されている本です。普通の書店では売っていません。
この記事の上の方で書いた「他社の真似をする」ことなど、起業前に知っておくべきこと、起業してからやるべきこと・やらないべきことが書かれています。
---------------------------------
1.顧客をどこで見つけるか?
2.どの商品・サービスを販売するか?
3.その商品・サービスの価格はいくらにするか?
4その商品・サービスを買うように、顧客を説得するにはどうすればいいか?
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起業、ビジネスの「型」が学べる良書だと思います。

「大富豪の起業術」を詳しく見る

社長の生産力を上げるシステム思考術

こちらもダイレクト出版から発行されている本です。
社長自らが実務をせず、社員に任せそれを管理する方法が書かれています。具体的には、マニュアルを作って実行する方法です。
著者は15年間ずっと週に80~100時間という労働時間だったのですがそれが週に2時間に減ったそうです。しかも会社もどんどん発展しているとのこと。
マニュアルというとあまりポジティブに受け入れられないことが多い気がしますが、マニュアルというよりも「仕組」をつくるということの重要性を学べます。
マクドナルドなんかは良い例ですね。あの会社は徹底的にマニュアル化されています。
素人でもマニュアルに沿って動けばおいしいハンバーガーが提供できる仕組み。その成功ぶりは全世界で証明されています。
私の会社はマニュアル化しづらい業態ではあるのですが、かといって「仕組」をつくらないといつまでたっても社長自らが忙しいままです。
マニュアル化して組織で仕事をすすめるという考え方は、会社を大きくしていく上では絶対に避けて通れません。
この本を読んでから私も人に任せられる部分についてはマニュアル化に着手し始めています。

「社長の生産力を上げるシステム思考術」を詳しく見る

図解 実戦マーケティング戦略

こちらは、マーケティングの理論を分かりやすく、著者が独自にフレームワーク化したものです。「戦略BASiCS」というフレームワークを紹介しているのですが、具体的には次の観点から考えていく手法です。
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BattleField(戦場)
Asset(資産)
Strength(強み)
Customer(顧客)
Sellingmessage(売り文句)
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他社との差別化を図る方法や、人が物やサービスを買う流れといったことを学ぶことができます。マーケティングの入門編、基礎としておすすめです。

最後に、重要なこと-アウトプットとベビーステップ

社長が学ぶべきこと、読むべき本について書いてきました。
学ぶことは非常に重要なことですが、さらに重要なのは「学んだことを実践する」ことです。
が、これって結構難しいです。
本を読んでなるほど、と思っても書かれていることは現在の自分にとっては途方もなく遠いことのように思えます。
途方もないことなので、やる気が出ず面倒で結局やらなくなりがちです。
なので、重要なことは一気にやろうと思わず、一日5分でも極端にいうと30秒でもやることです。これが「ベビーステップ」という考え方です。ベビーステップとはその意味の通り「赤ちゃんのように小さな歩み」。
ベビーステップでも、学んだことを実践(アウトプット)すると身に付き方が違います。
しかもアウトプットは繰り返し繰り返し行うとさらに身に付きます。
人間て、学んだことはあっという間に忘れていきます。(私は特に忘れやすいです…)
なので、繰り返し繰り返しやることで身に着けようと日々意識しています。不思議なものでベビーステップでも少しやることでやる気が出てきます。
少しやるとやる気が出てくるというのは脳科学的にも証明されているようです。

社長になって一年ですが、学ぶことの重要性、実践することの重要性をひしひしと感じています。
まだまだ自分が実務をすることから抜け出せない状況ではありますが、会社の発展のため、家族を幸せにできるよう、金銭的・時間的な部分の改善をさらに頑張らねば…と思う一年でした。
よし、また明日からベビーステップで頑張ろう。

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