30代男が育児・介護の”ダブルケア”の入り口に立つ。老いと成長と仕事と。

2021/02/12

こんにちは、イソノです。
私は現在、30代後半の男で、5歳・3歳の子育て真っ最中。それと同時に介護の入り口に立っています。
両親はどちらも難病とされる病気になってしまい、3年程前から体の自由があまり効かなくなってきました。それが、ここ1年の間に悪化し、両親ともに入院。父親は自宅に戻れたものの、車椅子での生活に。母親は一週間のほとんどを施設でお世話になるなど、あまり良い状態ではありません。

私が住んでいるのは、実家から車で一時間ほどの距離。
毎週というのはなかなか難しいのですが、一週おきくらいで週末実家へ行き雑用をしています。
また、月一回程度、親の通院のため平日に仕事をほぼ休んで病院へ連れて行ったりします。

子育てと介護を同時にしている人は結構いると思うのですが、そういう状態を”ダブルケア”と言うそうです。(今まで知りませんでした)
私がやっている程度のことが「介護」と呼べるのか分かりませんが、その入口に立っている感覚はあります。

-何が言いたいかというと、私のような男(長男)で”ダブルケア”の主役になっている人、なることがほぼ決まっている人って結構多いんじゃないか。そして、今後もどんどんその傾向は強くなるんじゃないか、ということです。

この記事で書きたいのは、私が”ダブルケア”の入り口に立って、自分が現在思っていることについてです。何か役立つことは無いかもしれません。
男(長男)で育児・介護のダブルケアの入り口に立つ人間が、こんなことを感じているんだ、というのが伝われば嬉しいです。

が、その前に男(息子・長男)がダブルケアの主役になぜ踊り出てくるのか。
その理由を考えたいと思います。

なぜ男(長男)がダブルケアの主役に立つのか?

男がダブルケアの主役に躍り出ることが多くなる-それが、長男である私が感じているところです。
何故かというと、次の3点が理由です。

  • 「嫁」の介入が減っている。
  • 夫婦共働き
  • 介護サービス(介護保険)の充実

それぞれ見て行きましょう。

男がダブルケア(育児・介護)の主役となる3つの理由。

1.「嫁」の介入が減っている。

これが一番大きい理由ではないかと思います。
良い悪いは抜きにして、以前は、「嫁」は専業主婦で子供の世話と家事をし、場合によっては同居して、夫の親の世話もする、というのがロールモデルだったと思います。
しかし、国勢調査を見ても、親世代と同居する世帯数はどんどん減ってきています。

(参考)
国勢調査結果にみる家族類型の変化
2015年国勢調査

つまり、同居することで必然的に「嫁」が担っていた介護も必然的に減っていくことになります。

2.夫婦共働き

我が家もそうですが、周りをみても夫婦共働きが多いです。
あなたの周りでも専業主婦世帯というのは、それほど多くはないのではないでしょうか。
統計を見ても、2019年で共働き世帯は専業主婦世帯の2倍以上となっています。

(参考)
専業主婦世帯と共働き世帯 1980年~2019年

つまり、夫婦ともに家庭にかけられる時間は絶対的に少なくなっているということです。
妻としては仕事・家事・育児に加え、同居していない夫の親の介護にかけられる時間なんて、捻出するのも難しくなります。

3.介護サービス(介護保険)の充実

私の両親も、この介護サービスにかなりお世話になっています。
これがあるおかげで、私は両親と離れて暮らすことが出来ているし、仕事・育児と合わせて、両親の「介護」もすることが出来ています。
介護サービスを利用しつつ、そのサービスが賄えないところを男(長男)が主力となって行う、という構図が成り立ちます。

私の場合、「地域包括センター」のケアマネジャーさんにお世話になり、施設や各種サービスの手配をきめ細かくやってもらいました。
ちなみに、素人がこの辺の知識を調べ、自分で手配するのはかなりハードルが高いので、専門家にサポートしてもらうのがベターです。

私が「ダブルケアの入り口」に立ち、やっていること、そして、思うこと。

ダブルケア、と一口に言っても様々なケースがあると思います。
寝たきりの親と同居し、仕事もして、さらに小さい子供もいる、という本当に24時体制という人もいるかもしれません。
私はそこまでではありません。車で一時間ほど離れたところから隔週程度で通っている、入り口に立っている感じです。その程度で「介護」を語るな、という部分はあるかもしれませんが、私のような立場の人もきっと多いはず。
ということで、あまり気にせず自分が現在やっていること、思っていることを挙げてみます。

父母の現状を改めて。
父:70代前半。難病を抱え、車いすで生活。週に3回施設へ通い入浴。
母:70代前半。こちらも難病を抱え、歩けるもののあまり体の自由が無い。平日は施設で宿泊し、週末のみ実家で過ごす。
※父母ともに、若い頃は「普通」でしたが、60歳を過ぎたころから徐々に病気の影響が出始め、70歳を前にした頃から介護が必要な状態になってきました。

私がやっていること

  • 車で一時間ほどの実家に、隔週くらいの頻度で訪問。
  • スーパー等への買い出し。
  • 銀行での支払処理や現金引き出し。
  • 病院への送迎。
  • ヘルパーさん、介護施設とのやりとり。

※炊事・洗濯・掃除というのは意外とありません。
そういった基本的な部分は結構サポートがあって、お弁当が配達されたり、ヘルパーさんがやってくれたり、父も多少料理したりするからです。

私が思っていること。

  • 今の状態はまあ多少負担だけど、全然やっていける。
  • しかし・・・今後を考えると気が重い。
  • 今より父母の状態が徐々に悪くなることはほぼ間違いがない。
  • 同居しての介護は(仕事等を考えると)現実的ではないので今のところ考えていないが、それでいいのか…。
  • 気持ち的には施設に入居させたくはないが、同居となると仕事面、私・妻・両親の関係性が崩壊するのが目に見える。
  • 両親はどちらも、施設に入居することを嫌がっている(母親は現時点で施設に週5日宿泊しているが、本心は自宅で過ごしたい)ので、施設に入れることは心情的にはツライ部分がある。

つまり、今後どんどん悪くなるであろう状況に、及び腰なんです。
そして、自宅での全面的な介護は無理だろうということへの罪悪感が、今からあるんです。

そして、これから確実に衰えていく親とどんどん成長していく子供たち。
この対比もなんとも言えない感情になることがあります。

まとめ

私は、現在5歳・3歳の子供を育てる父親です。
そして同時に、車で一時間ほど離れた実家に住む親の「介護」も担いつつあるような状態です。この、子育てと介護をどちらもやっている状態を「ダブルケア」というそうです。
このダブルケアに、私がその入口に立ってみて思ったこと。
「男が主役となるダブルケアって今後どんどん増えていくんじゃないか?」ということです。

私の考える理由は3つ。詳しくは上の方で見てください。

  • 「嫁」の介入が減っている
  • 夫婦共働き
  • 介護サービス(介護保険)の充実

このダブルケアを実践する際に、欠かせないのが介護事業者・制度の存在です。
彼ら無くしては、別居かつ仕事しつつ介護するなんて不可能です。

私の実家は結構な田舎なので、家族が親の面倒を見るという価値観がまだ根強いです。
その価値観は、その土地で生まれ育った私にも染み付いていて、現在別居していること自体にも多少の罪悪感があります。

ただ、私は子供を育て、小規模ながら会社の社長を務める立場でもあります。
親の介護含め、どれも破綻させるわけにはいかないので、頼れるところは頼りつつも私が主力、という覚悟をしているところです。
ただ、全てを自分が背負うというのも無理なので適度に手を抜く、というのも重要だと感じているところです。

親が年老いること、介護については、多くの人が通る道ですが、明確な正解って無いのかもな、と思うアラフォーの現在です。

-自分のこと