子連れで山形・鶴岡の旅。スイデンテラス~ SORAI ~アル・ケッチァーノ~クラゲ水族館~
山形・鶴岡へ4歳・2歳の子連れで旅行へ行ってきました。山形では一泊二日ですが、別の記事で書いた新潟・月岡温泉から連続した旅行です。
月岡温泉では義両親も一緒だったのですが、山形は私・妻・娘・息子の4人です。
ちなみに、鶴岡は庄内地方という地域に属していて、庄内平野を中心とした日本海沿岸の地域です。分かりやすく言うと海も山も近くにある稲作地帯、という感じでしょうか。
あなたがこの記事を見てくれているということは、多少なりとも山形・鶴岡、庄内地方への観光を考えているでしょうか?
山形・鶴岡自体は日本のどこにでもある、というと失礼かもしれませんが、それほど特徴的な街ではありません。田舎の地方都市的な風景が広がります。
ただ、山あり海あり田んぼあり歴史あり食事うまし、と探すと魅力はぎゅっと詰まっています。
その山形・鶴岡へ我が家がなぜ旅行しようと思ったかというと、行きたいところが2つあったから。
1つはクラゲ水族館こと加茂水族館。
もう一つは有名なイタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」。
詳しくは後で触れますが、行ってみた感想としては次の通りです。
- クラゲ水族館⇒子連れで大満足。”クラネタリウム”は圧巻。
- アル・ケッチァーノ⇒確かに美味しいが、子連れでは少しもったいない。(子供の世話と子供がうるさくしないか気を遣い、食事に集中できない)
そして、二か所だけでは時間を持て余すな、ということでもう一か所行ったのが「キッズドームソライ(KIDS DOME SORAI)」という子供が体を動かして&工作で遊べる室内の施設。
また、今回の宿は、そのキッズドームソライからすぐ近くの「スイデンテラス」というホテルです。
ちょっとまとめてみると、今回我が家が行った山形・鶴岡の観光地、宿は次の通りです。
●行った場所
・キッズドームソライ(KIDS DOME SORAI)
・アル・ケッチァーノ
・クラゲ水族館(加茂水族館)
●宿
・スイデンテラス
それでは、我が家が4歳・2歳の子連れで泊った宿、行った場所の4か所について紹介していきます。ちなみに、移動するのには車が必須ですよ。
ショウナイホテル スイデンテラス
まずは、今回の宿からご紹介です。
ショウナイホテル スイデンテラス。
その名の通り、「水田」をコンセプトとしたホテルです。
HPのキャッチコピーでは、「山形庄内の魅力を体感する、田んぼに浮かぶホテル」。
「ウユニ塩湖」のような、田んぼに水が張られた写真が有名ですが、実際に稲が植えられ季節によって水田の景色の変化が楽しめるようです。
私も田園地帯で子供時代を過ごしたので、その景色の変化は自分の原風景として残っています。
春、ようやく寒さが緩んできたころ、代搔きという田植え前の準備が始まり、水が張られ、そして、間もなく田植えを迎えます。田植えの前後には、夜になるとカエルの声が辺りに響き渡ります。このカエルの大合唱は本当に響き渡る、という感じでうるさいほどなのですが、聴いているとなぜか落ち着くものがあります。その鳴き声は私の中に結構しみついていて、youtubeでカエルの鳴き声といった動画があったりしますが、たまに聴いています 笑
夏、自然の息吹がはっきりと感じられます。育ってきた稲の緑は鮮やかで、風に吹かれるとサワサワ…ザーーーっという音を立てす。これもまた、カエルの鳴き声と同じく落ち着きます。田んぼの中にいて、風を感じながら稲の音を聞いていると、本当に体の中から毒素が抜けていくような感覚になります。
秋、黄金色に輝く田んぼが、(晴れていると)青空とのコントラストで本当に美しいです。
赤とんぼが飛び、なんというか「日本の田舎」が感じられます。
稲刈りを見る、その場に居合わせるという機会はない人が多いと思いますが、稲刈りをしていると、なんとも言えない良い香りが立ち込めるんです。乾燥した稲ともみがらの柔らかい・草が枯れたような甘みのあるような香り。これに包まれると何だか幸せな気分になります(晴天だと特に)。
これを感じたくて、稲刈りのシーズンは地元に行ったりするほどです。
スイデンテラスで稲刈りの日を狙うというのはなかなか難しいとは思いますが、もし立ち会えたら、そしてその日が晴天なら、超絶ラッキーです。
冬は厳しい季節。日本海側の田園地帯は寒々しい風景です。ただ、そこに雪が降ると、ピリッと空気が締まり、雪の白も美しく、風情があります。
まあ、この季節は風も強かったりするので、あんまりこの地域への観光はオススメはしないですね‥スキーでもやるなら別ですが。
…田園地帯の描写が多くなってしまいましたが…スイデンテラスはそういった場所に建てられた、水田を感じられるホテルです。
いわば、「ザ・日本の田舎」に建てられたホテルの内部はというと…かなり様相が異なります。
一言でいうと、現代的。個人的な感想としては、「無印良品が建てたホテルみたいだな」です。
シンプルで無機質で、スタイリッシュ。北欧的な印象もある。そんな建物の近代感と外の水田の自然感の違和感がこのホテルの魅力なんじゃないかと思います。
▼入口からフロントへ上がる階段
▼部屋の中もシンプル。高級感はそれほどありませんが、おしゃれで若者向けな感じです。
▼サインもシンプルでかわいい、スタイリッシュ。
ちなみに、宿泊費用もそれほど高くありません。
(費用に幅はありますが、大人一人当たり15,000円※朝食付き といったところです)
レストランは朝食のみ利用しました。(特筆すべきものはないものの)結構おいしかったです。
本来は自分で好きなものを取るバイキングのようですが、今回はコロナの影響でプレートに盛り付けてもらうスタイルでした。
▼レストランの作りは解放感があり、やはりスタイリッシュです。
▼帰りには記念写真をスタッフの人に撮ってもらいました。
スタッフの対応も気持ちよく、デザインやコンセプトが特徴的で楽しく、コスパの良い宿だなという印象でした。
家族連れにはおすすめです。
キッズドームソライ(KIDS DOME SORAI)
(画像:公式HPより)
キッズドームソライは、子供向けの屋内施設。
その名前の通り、ドーム型の建物です。デザイン性はかなり高く、コンセプト・外観・内観共に相当ハイセンスです。それもそのはず、「坂茂」という世界的な建築賞を受賞している建築家による設計とのこと。ちなみに、スイデンテラスも坂茂さんの設計です。
まあ、子供にとっては世界的な建築家の設計というのは言っても分かりませんが、娘と息子はこのキッズドームソライを満喫しまくっていました。私と妻が「帰るよー!」と言っても、「帰りたくない~!」としばらく粘っていたほどです。
なぜなら、この施設のつくり・コンセプトが子供の心をがっちりつかむから。
HPを見てもらうのが一番分かりやすいのですが、この施設は大きく2つのエリア-「アソビバ」という体を使うエリアと、「ツクルバ」という”図工”が出来るエリア-で構成されています。
アソビバ
(画像:公式HPより)
「アソビバ」では木の塔のようなものに登ったり、スケートバンクのようなところを走ったり滑ったり、本を読む穴ぐらのようなところがあったり。 自分が子供だったら確かに夢中になるだろうな、と思います。
我が家の子供たちは、スケートバンクのようなところを滑るのが特にお気に入りでした。
(▼娘が弟に向かって突撃しています 笑)
このスケートバンクのような坂を登ったり走ったり、滑ったり。
兄弟二人ともキャッキャと遊んでいました。
ツクルバ
「ツクルバ」は小学生的にいうと”図工”を思いっきり楽しめるスペースです。
紙や木材などの材料を好きなように加工して、自分なりの作品を作ることができます。
また、担当の職員も数人いて、ワークショップ的なものも開催されていました。
娘は職員さんに教えられてバッヂを手作りしていました。
「ツクルバ」も、子供たちが夢中になれる要素がすごいです。
小学校の時、クラスで図工が好きな割合は結構多くなかったですか?
授業では作るものが決められていたり、自分なりの工夫が出来る余地が無かったりしますが、SORAIでは自分の好きなものを好きなようにつくることができます。
たくさんの材料の中から自由に選んでつくる。困ったら職員さんに聞くこともできる。私自身も図工好きでしたが、このSORAIが子供の頃近所にあったら通い詰めたと思います。
結局SORAIには3時間ほどいました。その気になれば、一日中いれる感じ。
もし、これが東京にあったら死ぬほど混むと思います。そんな子供の心をがっちり捉える施設でした。
子連れで山形・鶴岡へ行く際はぜひ候補に入れてみてください。
アル・ケッチァーノ
数年前から、妻との話題に挙がっていたのが、この「アル・ケッチァーノ」というイタリアンレストランです。
我々夫婦は、美味しいものに目がありません。美味しいものを食べるためなら、ある程度の出費は気にしません。なので、我が家のエンゲル係数は慢性的に高めです‥。
(我が家は地方在住ですが)もし東京に住んでいたら、無数にある美味しい店を探して食べ歩いて家計が破綻してしまうんじゃないかと思います‥笑
さて、「アル・ケッチァーノ」は全国的にも有名なお店です。
奥田さんというカリスマシェフによる、「地産地消イタリアン」がコンセプトの(そのコンセプトではパイオニア的な)お店です。
ただ、店の雰囲気はドレスコードがあるような高級店という感じではなく、極端に言うとファミレスに近いところがあります。(食事代は高いですが)
そして肝心な味の部分はどうでしょうか?食べログ的な点数評価で行くと、3.5点というところです。
期待値が上がりすぎたところはありますが、味はもちろん美味しいものの、感動する、また行きたいと強く思う、という感じではありませんでした。
全体的に味付けは薄めで、食材の味を引き出す意図がうかがえました。
いや、素材も確かに良かったんですが、やはりびっくりするほどではなかったです。
それでも、数年来行きたかったお店だったので、そこに子連れで行けたという点では満足です。
▼桜マスのソテー。皮はカリカリ、身はふっくら、素材を生かす調理はさすが。美味しかったです。
(画像:お店Facebookより)※子供の相手で写真を取り損ねました‥
まあ、味の部分はともかく、問題だったのがやはり子連れです。
4歳・2歳なので、長時間おとなしく座っているというのがなかなか難しいです。
途中で大きな声を出したり、飽きて椅子から降りたがったりと、なだめるのになかなか苦労しました。
なので、本来はワインを飲みながらじっくりと料理を味わいたかったのですが、そんな余裕も無く…。子供に食べさせながら、子供が飽きるのをなだめ、youtubeを見せ、その片手間にワインを飲み、料理を食べ、という感じです。
その部分は覚悟の上で行ったのですが、やはり4歳・2歳という年齢からすると難しかったですね。
ただ、上の方でも触れた通り、高級店という雰囲気ではないので、子連れにとってはそこが救いです。子連れだけど、行ってみたい、だけど…と心配する人もいるかもしれませんが、大丈夫です。そこまで肩ひじ張って行く必要はありません。
美味しいものが好きな人で山形へ行く人は、やっぱり有名店である「アル・ケッチァーノ」は何としても行ってみたいことでしょう。
(期待しすぎるとダメですが)味はやはり美味しいので、行く価値はもちろんあります。
ただ、問題は約二時間、子供が座っていられるか。子供の気を逸らす手段があるかどうか、ですね。youtubeなんかを集中して見てくれるなら、大丈夫。もし落ち着きがなく10分も座っていられないなら…やめておいた方が良いです。
子供が動いたり騒いだりすると、他のお客さんの手前、料理やお酒を味わうところではありません。我が家の子供たちはなんとかギリギリのところで踏みとどまってくれました。いやー、危ないところでした。
ちなみに、今回の宿のスイデンテラスからアル・ケッチァーノへはタクシーで行ったのですが、かかった時間は15分くらいでした。このお店の立地的に車で行くことが必須なので、旅行者はお酒を飲むならタクシー、または運転代行を使うことになりますよ。
クラゲ水族館(加茂水族館)
(画像:つるおか観光ナビ より)
スイデンテラスで宿泊し、翌朝向かったのがクラゲ水族館こと加茂水族館。
スイデンテラスからは車では20分かからないくらいです。
水族館を駐車場から眺めたときの感想は「思ってたより小さいな~」。
いや、小さいからこそクラゲに特化したのでしょう。
この水族館の歴史を調べてみると、やはり経営的に厳しい中でクラゲ特化に進んだ、とのことです。この水族館はクラゲがメインではあるものの、魚の水槽が上下に長く階段を下りながら見れたり、ヒトデに触れたり、アシカなんかもいてクラゲ以外にも楽しめます。
しかし、見どころはやはり、「クラネタリウム」というクラゲの巨大水槽です。
NHKの「ドキュメント72時間」でも取り上げられましたが、人の心を引き付けるものがあります。
我が家の4歳の娘も「すごーーーい!」とテンションがあがっていました。子供にとっては、クラゲなんて地味だし、動きも少ないし興味がわきづらいものです。
しかし、その大水槽の前に4歳・2歳の子供と結構長い時間いました。暗めの照明の中、ライティングの色が鮮やかで、大きな水槽いっぱいにおよぐ大量のクラゲの浮遊感は、なんというか、ぼーーーーっと無の境地になれるというか、人をぐっと惹きつけるものがあります。これ、何か似たような感覚があったな、と思い出したのが、雪が降るのを眺めているときの感覚です。私は、雪が降る様子を家の中から見ていると無の境地になれるのですが(笑)、それを思い出しました。動きはあるけど、しんと静かで、見ていると目が離せなくなり、景色に吸い込まれていくような感覚。
大袈裟にいうと、悟りを開くときはこんな感じなのでは・・と。よくわからないことを思ったり思わなかったり。
というわけで、クラゲ水族館こと加茂水族館は、子連れでも楽しめる水族館でした。
山形・鶴岡への旅行の際は欠かせないスポットだと思います。
ここで山形の旅は終了。帰路へ。
クラゲ水族館を満喫し、山形一泊二日の予定を終えました。
この時点でお昼くらい。お腹も若干減ってきました。
山形から我が家へ帰る途中に新潟県村上市を通るのですが、ここで食べようということになりました。
なぜなら、山形って分かりやすい&食べたくなる郷土料理のようなものが無いんです。(私が知らないだけかもしれませんが‥)
それなら、村上へ行って村上牛・鮭・イクラを食べよう、と。
村上と言うと鮭が有名なのですが、村上牛もおいしいのです。食べ方としては、サシの入った生肉※が絶品です。口に入れると非常に柔らかい肉の旨味と脂が溶けていく感覚が味わえます。いや、山形牛もおいしいのかもしれませんが、ランチで食べれるところが近くで見つけられませんでした。
(※最近は生肉はNGでちょっと火が入っています。 )
というわけで新潟・村上市へ向け出発です。
着いたのは「悠流里(ゆるり)」というお店。比較的高めなお店です。
ここでは、村上市の特産が一通り食べられます。鮭、海の幸、いくら、蕎麦、そして村上牛。
詳しくはこちらのお店紹介をご覧ください。
ちなみに、村上牛が食べれるお店としては、江戸庄というお店がおすすめです。
江戸庄があるのは村上市の中心部で、村上市旧城下町・町屋の雰囲気も楽しむことができます。
まとめ
山形・鶴岡へ、子連れでの一泊旅行について書いてきました。
4歳・2歳と一緒の旅行ではありましたが、私と妻、子供たちも満喫できたと思います。
地方の、しかも田園地帯での観光というと、子連れで行く場所がなかなか無かったりしますが、この鶴岡では、SORAIとクラゲ水族館が子供たちの心をがっちりとつかみました。
元々は、私と妻が有名イタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」に行きたいというのが山形への旅行の理由でした。その有名イタリアンを食べるというのは実現出来たものの、幼い子連れでは残念ながら満喫できませんでした。(いや、味どうこうではなく、子供が騒がないか気になってじっくり味わうどころではなかったからです。)
今回宿泊したのは「スイデンテラス」。とても特徴的な、現代的な、おしゃれなホテルでした。各種メディアで取り上げられているのも理解できます。
このホテルでずっと過ごせる、というタイプの宿泊施設ではないのですが、水田に浮かぶホテル、というコンセプトもステキだし、値段もそれほど高くないし、スタッフも対応が良いし、綺麗だし、機能的だし…と、若い世代・子連れにもぴったりのホテルだと思います。
山形・鶴岡。一見地味に映る地域ですが、観光の要素はふんだんにあります。特に、都会からの観光なら水田地帯・田舎の風景も観光要素になるのでは、と思います。
子連れ旅行でいうと、さくらんぼの時期(6月~7月くらい)が最も楽しめる時期なのでは、という気がします。
ちなみに、山形というと個人的には(趣味である)スキーのイメージです。
ですが、我が家は妻が寒いところが苦手なのと子供が小さいので、まだまだスキーに出かけることは無さそうです。。
いや、晴れた日の蔵王の樹氷は本当に本当に本当に最高なんです。
子供が生まれて以来行っていない私の唯一の趣味、スキー・・・。
今回のテーマとは関係ないけど、いつになったら行けるんだろうか・・。